Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かげろうのにっき

かげろうの日記

堀 辰雄

Lisez かげろうの日記 (かげろうのにっき) de 堀 辰雄 (ほりたつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 890 caractères · 60 écrans

Aozora Bunko

毎日のように、道綱は内裏に一人で出て往っては、また一人で淋しそうに帰ってくる。そんな或日の事、あの方が「きょうは往けたら往こう」などと御消息を下すったので、もしやと思ってお待ちしていたが、その夜も空しく更けて往くばかりだった。やがて気づかっていた道綱だけが、ただ一人で浮かない顔をして帰ってきた。そうして「殿も只今御退出になりました」などと語るのを聞いて、いくら夜が更けていたって昔ながらのお心さえおありだったならばこんな事はなさるまいに、と私は胸が潰れるような思いがした。それから、また、以前のように、音沙汰がなくなってしまっていた。

やっと十二月になって、七日頃にあの方がちょいとお見えになった、何だかもう顔を見られるのも不快なので、几帳をよせて、その陰に引きこもっていると、お出になったばかりなのに、「日が暮れたな。どれ、これから参内せねば――」と仰ゃってお帰りになられたぎり、音信もなくて、十七八日になった。

その日の昼頃から、雨がそんなに強く降ると云うほどではなしに、ただ何となく降りつづいていた。こんな日なんかには若しやと云うほどの気にさえなれず、私はしょうことなしに昔の事などを思い出しながら、昔の自分が心待ちにしていたすべての事と今の自分とは何と云うひどい相違だろう、あの頃はこんな雨風にだって御いといなさら