Classiques japonais avec furigana
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くわのおこったはなし
くわの怒った話
小川 未明
Lisez くわの怒った話 (くわのおこったはなし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 3 326 caractères · 7 écrans
その後に残った兄は、圃に出てくわを取って働いていましたが、もとから働くことが好きでありませんから、たいていは怠けて家にいました。そして、困ったときは、道具などを片端から売って食べていました。
「運は寝て待て。」ということわざがあるから、きっと、そのうちにいいことがまわってくるにちがいないと、兄は信じきっていたのです。
その年も暮れ、翌年になると、不思議に運がめぐってきました。汽車がこの村を通って、停車場が近くに建つといううわさがたつと、急にあたりが景気づきました。そして、他所からもいろいろな人間がたくさんに入り込んできて、土地の価が一時にずっと上がり、兄の持っている場所は、その中でも町の目ぬきのところとなりましたので、いちばん高く売れるのでありました。
「それ見よ、俺のいわないことじゃない。なんでもあせると、弟のやつみたいに損をするものだ。昔から、運は寝て待てというから、冒険などをするものじゃない。おれの土地などは、買い人が山ほどある。こっちの価の付け放題じゃないか。」と、兄は、得意になって独語をもらしました。
いよいよ、兄の持っている土地が高い価で売れることにきまると、兄は、その日を最後として圃をみまいました。