Classiques japonais avec furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lisez ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 164 113 caractères · 332 écrans
それにしても僕の目にはよく物が入る。無暗に窓から乗り出す所為だろうか、それとも石炭の燃え滓という奴は特に子供の目が好きなのだろうか?
「謙さん、銅像が見えてよ。井上侯爵よ」
と田鶴子さんは今度は真正を言った。潮風に吹かれてお色が真青になっている。
「これも輸入人物です」
と仙夢さんはまだ人物を問題にしていた。
江尻で下りて、俥で清水港を通った時も仙夢さんは、
「こゝには次郎長というこの土地生え抜きの侠客がいましたよ。稀に豪いものが出れば博奕打の親分と来ています」
と矢張り人物を気にした。間もなく僕達は鉄舟寺でこの次郎長さんの木像を見た。斬ったり撲ったりを商売とする侠客とは思えないほどの好々爺だった。
「晴れてよし曇りてもよし富士の山、もとの姿は変らざりけり。鉄舟か?」
と団さんは境内の石に刻ってある歌を読んで、
「何とか言っているぜ。我輩に分るくらいだから大したもんじゃない。第一曇ったら姿が見えない筈だ」
その隣りの龍華寺では僕達は蘇鉄の大きいのに驚いた。一株から五十何本とか出ていると車屋が力説した。
「此処にも輸入人物の墓があります」
と言って、仙夢さんは僕達を庭の山の上へ案内して西洋式の立派な墓を紹介した。