Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こころ

こころ

夏目 漱石

Lisez こころ de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 160 915 caractères · 322 écrans

Aozora Bunko

二十七

細い杉苗の頂に投げ被せてあった先生の帽子が風に吹かれて落ちた。

二十七

私はすぐその帽子を取り上げた。所々に着いている赤土を爪で弾きながら先生を呼んだ。

「先生帽子が落ちました」

「ありがとう」

身体を半分起してそれを受け取った先生は、起きるとも寝るとも片付かないその姿勢のままで、変な事を私に聞いた。

「突然だが、君の家には財産がよっぽどあるんですか」

「あるというほどありゃしません」

「まあどのくらいあるのかね。失礼のようだが」

「どのくらいって、山と田地が少しあるぎりで、金なんかまるでないんでしょう」

先生が私の家の経済について、問いらしい問いを掛けたのはこれが始めてであった。私の方はまだ先生の暮し向きに関して、何も聞いた事がなかった。先生と知り合いになった始め、私は先生がどうして遊んでいられるかを疑った。その後もこの疑いは絶えず私の胸を去らなかった。しかし私はそんな露骨な問題を先生の前に持ち出すのをぶしつけとばかり思っていつでも控えていた。若葉の色で疲れた眼を休ませていた私の心は、偶然またその疑いに触れた。

「先生はどうなんです。どのくらいの財産をもっていらっしゃるんですか」