Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さるすべり

さるすべり

山本 周五郎

Lisez さるすべり de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 095 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

二

否応なしという意味を含めて使者はその口上を終った。政宗は低くうめきながら、かなりながいこと思案していた、いかにも不本意のようすだったが、やがて心を決めたとみえ、撤退することを承知した。「よろしゅうおざる、たしかに白石より退軍つかまつりましょう」「御退陣くださるか」おおと肩の荷をおろしたような使者の太息が、衝立屏風のかげまではっきりと聞えた。

二

政宗と使者とが去るとしばらくして、浜田治部介がようやく衝立屏風のかげから出てきた。肩幅のひろい筋肉質の逞しいからだで、眉尻の少しさがったおっとりとした顔だちである。年は二十七歳になり、政宗のはたもとで物頭をつとめている。かれは午睡をしていたのであった、そこは白石城本丸にある屋形のひと間で、これまでほとんど使われたことがないし、裏庭からつめたい山風が吹きとおるので、ときどきやってきては午睡をした、ところが今日はとつぜんしゅくん政宗がはいって来たのである。衝立屏風のかげにいたので気がつかなかったのであろう、こちらも気がついたときはもうおそかった、そして思いもよらぬ密談を聴くはめになってしまったのだ。額にふき出ている汗を押しぬぐいながら、かれは渡り廊下から遠侍のほうへ出ていった。