Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しいたげられたてんさい

しいたげられた天才

小川 未明

Lisez しいたげられた天才 (しいたげられたてんさい) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 087 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

獣の牙をならべるように、遠く国境の方から光った高い山脈が、だんだんと低くなって、しまいに長いすそを海の中へ、没していました。ここは、山間の、停車場に近い、町の形をした、小さな村でありました。

その一軒の家へ、戦時中に、疎開してきた、家族がありました。からだの弱そうな男の子が、よく二階の窓から、ぼんやりと、彼方の山をながめて、なにか考えていました。季節が秋にはいると、どこからともなく、渡り鳥があかね色の夕空を、山の上高く、豆粒のように、ちらばりながら、飛んでいくのが見えました。子供は、鳥影のまったく空の中に吸い込まれて、見えなくなるまで見送っていました。やがて日が暮れてしまうと、さらさらと音をたて、西風が、落ち葉を雨戸に吹きつけるのです。

「お母さん、いつ、東京へ帰るの。」と、子供は聞くのでした。

あかりの下で、冬の着物の手入れをしていた、母親は、

「新聞を見ると、また、二、三日前も空襲があったそうですよ。私たちが帰っても、もうお家がないかもしれません。だから、空襲がなくなってから、帰りましょうね。」と、さとすのでありました。

こう聞くと、子供は、しかたがなく、おもちゃの木琴を取り出して、鳴らしはじめました。