Classiques japonais avec furigana
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すきやきとかもりょうり――ようしょくざっかん――
すき焼きと鴨料理――洋食雑感――
北大路 魯山人
Lisez すき焼きと鴨料理――洋食雑感―― (すきやきとかもりょうり――ようしょくざっかん――) de 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 509 caractères · 6 écrans
ところが、出された葡萄酒が不味い。これが葡萄酒かと言いたいほど不味い。それもそのはず、一本七十円ぐらいの安物だ。
こんな安い葡萄酒を好かぬ私は、
「上等のブランデーはないか」
と、たずねた。すると、
「良いのがあるからどうぞ」
と、地下室に案内された。
見ると、葡萄酒の壜が、ほこりにまみれて何万本も寝ころんでいる。その酒倉のちょっとした席で待っていると、
「わざわざこんなところに来てくださって光栄に存じます」
というようなことを言って、マネージャーのような人が持ち出したのがたいへん美味かった。彼は、
「お気に召したら、どうぞ、いくらでもお飲みください。プレゼントいたしましょう」
と言う。さすがにそのブランデーは上等であった。そこで同行の士が珍しがって杯を重ねるとよろしくないので、
「プレゼントだからと言って、いい気になって飲むのは日本人の恥だ」
と、たしなめた。
フランスでも、やはりエチケットがあるのだから、有名なレストランだからと言って、わけもなく怖れることはない。
ちなみに、先ほどから鴨、鴨と言うが、それは昔の日本人が家鴨を鴨と間違えたのであろう。
ツール・ダルジャンの鴨も実は家鴨なのである。