Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lisez 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 470 caractères · 244 écrans
公定価は五十六銭であるが斡旋料をその二割十一銭二厘というものを差し引かれるから、農家の手に入るには僅かに、四十四銭八厘となるのである。
そこで私は、農家の人々に問うてみた。
「野菜の公定価は、どこを標準にしてきめたものでしょうね」
「そりゃ、わし共にも分かりゃしねえがの」
「飛んでもねえ、納得なんか爪の垢ほどもいっていねえよ」
「それじゃ、組合の値段が安過ぎるというのかね」
「馬鹿馬鹿しくって、話にならねえ」
「でも皆さんが、精々青物組合へ出すようじゃありませんか」
「えへ、へへえ」、甚だ意味ありげに笑うのだ。
「大きな声じゃ言えねえがね、ほんとうは組合から買いにきても、いい顔はしねえだよ。もう畑は、空っぽだよ、ちうわけなんだ」
「なるほど」
「町の人にや気の毒だがの、やむを得ねえ、ちうわけだんべ」
「そうだね、都会の人には気の毒だね。ところで、それならあれほどあっちこっちの畑に葱や菜っ葉が山ほどあるのに一体どこへ売るということになるのだろう」
「そこを、きいて貰っちゃ困る」
「でも、農家で、食った余りを組合へ出さなければ、野菜は畑で腐ってしまうじゃないか」
「そこは、けっこう腐られねえよ」