Classiques japonais avec furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lisez 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 470 caractères · 244 écrans
試みに、わが輩の顔の色沢を見給え、青年からさらに遡り童顔に等しかろう。どうじゃ、わが輩の腕の筋肉の盛り上がりよう。
ところで貴公、貴公は先年来、猫を常食にしているというが、いままでに何頭ほど食ったかな、三十数頭。よう食ったものじゃ。してみると、貴公は猫捕りの名人ちうことになるな。
それほどのことはないがね。
そこで、友達甲斐に一番猫捕りの秘法を伝授してくれまいか、決して、他人には口外せぬことにするから。
秘法伝授というほど、こみ入った術はいらぬのだけれど、まず猫の習性をよく研究するがよい。君は、知っちょるか知れないが、猫の通路ちうものは一定している。そこをこくめいに観察するのが、奥の手じゃ。わが輩は、わが輩の家と隣家との境をなす竹垣の破れ目が、猫の通路であることを先年発見した。
どら猫も、きじ猫も、三毛も、ぶちも、虎毛も、黒も、灰色猫も、どれもこれもこの破れ目を通行する。細心なる観察を続けていると、隣の屋敷からわが輩の屋敷へ侵入してくる時は、必ずその路を通るが、帰りだけは、いずれも勝手の路を選んでいるらしい。尤も、帰り路には何か盗んで、棒切れや石塊で追い払われるのであるから、お成り街道ばかり歩くわけにはいくまいな。