Classiques japonais avec furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lisez ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 85 196 caractères · 169 écrans
佐助は我が眼前朦朧として物の形の次第に見え分かずなり行きし時、俄盲目の怪しげなる足取りにて春琴の前に至り、狂喜して叫んで曰く、師よ、佐助は失明致したり、もはや一生お師匠様のお顔の瑕を見ずに済むなり、まことによき時に盲目となり候ものかな、これ必ず天意にて侍らんと。春琴これを聴きて憮然たることやや久し矣」と。佐助が衷情を思いやれば事の真相を発くのに忍びないけれどもこの前後の伝の叙述は故意に曲筆しているものと見る外はない彼が偶然白内障になったと云うのも腑に落ちないしまた春琴がいかに潔癖でありいかに盲人の思い過しであろうとも天稟の美貌を損じなかった程度の火傷であるならば何をもって頭巾で面体を包んだり人に接するのを厭ったりしようぞ事実は花顔玉容に無残な変化を来したのである。鴫沢てる女その他二三の人の話によると賊はあらかじめ台所に忍び込んで火を起し湯を沸かした後、その鉄瓶を提げて伏戸に闖入し鉄瓶の口を春琴の頭の上に傾けて真正面に熱湯を注ぎかけたのであると云う最初からそれが目的だったので普通の物盗りでもなければ狼狽の余りの所為でもない