Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちゃん

ちゃん

山本 周五郎

Lisez ちゃん de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 377 caractères · 45 écrans

Aozora Bunko

――お直さんや子供たちが可哀そうだぜ。

新助がそう云った。あれは三日まえのことだな、と重吉は柄杓を持ったまま思った。あれは親切で云ったことだ。檜物町の真二郎もそうだ。あの二人とは同じ釜の飯を食って育った。金六町も檜物町もめさきのきく人間だ。二人が「五桐」にみきりをつけ、きれいにひまをとり、自分自分の店を持って、当世ふうのしょうばいに乗り替えたのは、めさきがきくからだ。おかげでしょうばいは繁昌するし、家族も好きなような暮しができる。檜物町は上の娘を踊りと長唄の稽古にかよわせているし、金六町は妾を囲ってるそうだ。

「それでもおれのことを心配してくれる」重吉は持っている柄杓をみつめながら、放心したようにつぶやいた、「――友達だからな、友達ってものはありがてえもんだ」

重吉はぎょっとした。勝手口の腰高障子が、いきなり外からあけられたのである。あけたのは長男の良吉で、良吉もびっくりしたらしい、天秤棒を持ったまま、口をあいて父親を見た。

「ちゃん」と良吉はどもった、「どうしたんだ」

重吉は戸惑ったように、持っている柄杓をみせた、「水をね、飲みに来たんだ」

「水をね」