Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つばくろ

つばくろ

山本 周五郎

Lisez つばくろ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 987 caractères · 44 écrans

Aozora Bunko

一

一

吉良の話しがあまりに突然であり、あまりに思いがけなかったので、紀平高雄にはそれがすぐには実感としてうけとれなかった。

「話したものかどうかちょっと迷ったんだけれど、とにかくほかの事とは違うからね」

吉良節太郎はつとめて淡白な調子で云った。

「なんでも梅の咲きだす頃からのことらしい、七日おきぐらいに逢っていたというんだが、そんなけぶりを感じたことはなかったのかね」

「まるで気がつかなかった」

「だって七日おきぐらいに外出していたんだぜ」

「願掛けにゆくということは聞いていた、たしか泰昌寺の観音とか云っていたように思うが」

「それが不自然にはみえなかったんだね」

吉良はこう云ってから、ふと頭を振り、口のなかで独り言のように呟やいた。

「いかにも紀平らしい」

それは彼が高雄に対してしばしばもらす歎息であった。高雄の弱気に対して、善良さに対して。感動したばあいにも、また咎めるようなときにも、そう歎息することで彼は自分の気持を表現した。高雄は眼を伏せたまま遠慮するようにきいた。

「それで、相手も見たのかね」

「見たよ、森相右衛門の三男だ、知っているだろう、森三之助」

「――と云うと、たしか江戸へいった」