Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どぶろくげんそう

どぶろく幻想

豊島 与志雄

Lisez どぶろく幻想 (どぶろくげんそう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 452 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

切羽つまった羽目なんてものは、人生にはありがちなもので、そして大した意味はない。

周さんが泣くのを、俺はぼんやり見守るきりだった。

「日本人のうちで、ほんとうに心からわたしを愛してくれたのは、千代乃一人です。」

一人あれば充分ではないか。二人も三人もと、慾張っちゃいけない。俺だって、たった一人を求めてきた。

とはいえ、その時俺は、周さんが日本人の俺に向って訴えてるという、微妙な意味合いが分ってきた。同国人同志なら、違った言葉遣いが出て来ただろう。

泣いてる周さんの顔は、窶れて肉が落ちたように見える。それが次第に大きく脹らみ、額や頬に肉が盛り上ってき、眼もかっと見開かれると、怒ってるのだ。

「千代乃を殺したのは、わたしではありません。どぶろくの仕入れ先をわたしは千代乃に隠したが、良心に咎むるところありません。隠すべきを、当然、隠しただけです。貸金の利子を請求したのも、請求すべきを、当然、請求しただけです。ただそれだけのことで、千代乃は死ぬようなことになりました。わたしには訳が分らない。あの尾高たち、街のボスたちの根性が、わたしには分らない。慾張りというだけでなく、卑劣、邪悪です。