Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はたしじょう
はたし状
山本 周五郎
Lisez はたし状 (はたしじょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 525 caractères · 39 écrans
やがて第二はそう自問し始めた。こういう状態は改善することができるだろうか、世の中がもしも公正だったら、もしも人間がみな善良だったら。そうしたら、そのようなみじめな生活が無くなるだろうか。……彼には「然り」と断言する勇気はなかった。彼はまだ若く、生きる経験も浅かったが、いちどいだいた人間に対する不信は、ものごとを単純に看ることを許さなくなっていた。……政治や秩序や道徳などに関係なく、人間は先天的に不幸や悲嘆を背負っている。それは死ぬまで付いてまわる。幸福にみえる者、自分で幸福だと信じている者。それはただ気づかないだけのことだ。みんないつかは、一人の例外もなしに、必ずいつかは絶望に身を掻き毟り、悲しみに泣き叫ぶときがくるだろう。かれはそのように思った。
――どんな幸福も永遠ではない、慥かなのは人間が不幸や悲しみを背負っているということだ。多くの史書が証明しているとおり、誰一人としてそれをれることができないということだ。
第二は独りでよく江戸の市中を歩いた。学問所へゆくつもりで邸を出て、そのまま隅田川の河畔で茫然と時を過したり、本所とか深川あたりを目的もなく歩きまわったり、また猿若町の芝居小屋の片隅で、じっともの思いに耽ったりした。