Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はたしじょう
はたし状
山本 周五郎
Lisez はたし状 (はたしじょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 525 caractères · 39 écrans
「実は縁談が一つあるんだが」父は窓のほうを見たままで云いだした、「――去年からの話で、向うではぜひと云うし、私も悪くはないと思うんだが」
「――そういう話はもう暫く待って頂きたいんですが」
「二十七にもなってまだ待つのか」
「――こちらが済むと江戸へ戻らなければなりませんし、ことによると、そのまま江戸に留ることになるかもしれませんから」
「国の者ではぐあいが悪いというのか」
「――それもありますし、とにかく……」
父はこっちを見たようだ。第二は眼を伏せたまま黙っていた。かなり経ってから、父は声をひそめるように云った。
「おまえ、まだあのときの事が、……第二、おまえはそんなにみれんな人間か、おまえは男ではないのか、武士ではないのか」
父の声はごく低いが、非常に烈しかった。鞭で打つような調子だった。第二は俯向いて、硬直したような姿勢で、黙っていた。父は怒りを抑えていたらしい、やがて眼を脇へ向けて云った。
「七日のあいだに返辞を聞こう、返辞によっては考えなければならない」そして、第二が立とうとすると、冷やかにつけ加えた、「――理由もなく勤めを休むそうだが、今後そんなことがあると父が承知しないぞ」