Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やぶからし
やぶからし
山本 周五郎
Lisez やぶからし de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 476 caractères · 44 écrans
そのほかに望みはない、ただ常盤家のすずどのを貰ってくれさえすれば、と云い続けるばかりだそうです。あの方がどこでわたくしをごらんになり、どうしてそんなに懇望なさるのかわからなかった。けれども、養家の父母が承知したし、わたくしも「いや」と云う気はなかった。細貝家は七百石の中老ながら、御家中では由緒ある家柄だという。正直なところそれにも心を惹かれたが、なにより薙町の家を出たかった。たとえ身分は軽くともよい、もう少しあたたかな、人間らしいくらしのできる家へゆきたい。わたくしはそう思って承知したのであった。
自分の不仕合せを訴えるあの方の声は、不仕合せを歌にしてたのしんでいるように聞えた。それは悔悟ではなく、悔悟を売りつけているようにしか感じられなかった。そうして、あのことが起こったのだ。
あるだけの酒を飲み終ると、あの方が夜具の中へはいって来た。枕が二つ並んでいるのだから、共寝をすることはわかっていた筈なのに、わたくしにはそれが不作法な、卑しいことのように思われ、夜具の中ですばやく躯をずらせた。それからあとのことは考えたくない。やがてわたくしはとび起きた。