Classiques japonais avec furigana
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われらのいえ
われらの家
宮本 百合子
Lisez われらの家 (われらのいえ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 887 caractères · 6 écrans
「少しは遣った?
「ええ勿論少しはしましたわ。だけれど堪らないのよ全く。引越しましょうよ 私、真個に――
引越すと云えば、又如何那面倒と時間とを犠牲に供しなければ成らないかを、只の一度で充分に思い知らされた泰子は、自分で出かけて引越す気には成れないのだ。
其上、夏の休暇には遠方へ旅行する次手に、家も変える計画が以前から既定して居るのである。
然し、泰子の気分は、左様云う reasoning ではなおらなかった。
不快な心的状態は、鼠算に不快な考を産む。第一、当分は移れないと定って居るのに、此程、周囲の不愉快を感じるのは堪らない。――境遇と真正面から引組んで、勇ましく負かせないのが、泰子には自分自身に対して口惜しかった。
何故、もっと大きく、大きく、あらゆる物音や騒動に動じない心を持得ないのだろう。
此自愧は、引いて制作上の自責に迄及ぼして来た。