Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

アド・バルーン

アド・バルーン

織田 作之助

Lisez アド・バルーン de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 390 caractères · 53 écrans

Aozora Bunko

秋山というのは、中之島公園で私を拾ってくれたあの拾い屋です。私はその人を命の恩人と思い、今は行方は判らぬが、もしめぐり会うことがあれば、この貯金通帳をそっくり上げようと名義も秋山にして、毎月十日に一円ずつ入れることにしたのです。十日にしたのはあの中之島公園の夜が八月十日だったのと、私の名が十吉だったからで、子供らしい思いつきと言ってしまえばそれまでですが、貯金というものは結局そんな思いつきがなければ、私のような者にはできなかったかもしれない。

私のこの話がもしかりに美談であるとすれば、これからが美談らしくなるわけですが、美談というものはおよそおもしろくないのが相場のようですから、これから先はますますご辛抱願わねばなりますまい。

さて、一円ずつ貯金してきた通帳の額がちょうど四十円になった時、私は無性に秋山さんに会いたくなった。もっともそれまでも、紙芝居を持って大阪の町々をまわりながら、それとなく行方を探していたことはいましたが、見つからない。そこである日のこと、宣伝隊長の谷口さんにそのことを打ち明けると、谷口さんもひどく乗気になってくれて、その翌日弁当ごしらえをして、二人掛りで一日じゅう大阪じゅうを探し歩きましたが、何しろ秋山という名前と、もと拾い屋をしていたという知識だけが頼りですから、まるで雲を掴むよう