Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

オカアサン

オカアサン

佐藤 春夫

Lisez オカアサン de 佐藤 春夫 (さとうはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 831 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

「オカーサン、ワーワーワーワー」

こう、急に泣き出すことが折々あります。小さい子が目をさまして母を呼ぶ声にそっくりで思わず、

「坊や、泣かないでもいいよ」

と言ってやらずにはいられないほどです。

お母さんがいて、子供たちがいる。それも二三人、しかもやっと口をきけるほどの幼子までいる。このお母さんはどうしたって未亡人ではない。未亡人だとするとまだ新らしい未亡人だけれども、その人のものらしい賑やかな笑い声や、また子供たちのはしゃぎ方のなかには新らしく主人を失った家らしい影は少しもないのです。それにもし主人を新らしく失ったというだけなら、ロオラは、その主人の――男の声をも少しは言ってもいいだろうし、その声を話さないまでも、もう少し男に馴れていていいわけです。「ロオラや」という気取った声をする夫人はきっと未亡人などではありますまい。但、その人の夫はきっとふだんは家にいない人なのです。

船員! 外国航路の高級船員の留守宅! ふと思い浮んだ自分の直覚にわたしは非常に満足したのです。――その人はもう四十前後でなければならない。船長ではないかも知れないが、事務長ではあるかも知れない。