Classiques japonais avec furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Lisez ガラマサどん de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 99 079 caractères · 202 écrans
高顴広額
僕達の肩身を狭くしようってんだ」
「実際肩身が狭い。この二三日はこゝに閉じ籠っていて余り出て歩かないことだね」
と松本さんは元気がない。
社長はいつもの通り十時に出勤した。
「お早うございます」
と私達は手のものを置いて出迎えた。
「お早う」
「昨晩は失礼申上げました」
「何うだね?」
「はあ?」
と松本さんは猶予を申入れた。
「何うだね? 熊野君」
「エレベーター事件でございますか?」
と私は朝からそればかり頭にあったので、つい口に出してしまった。
「何を言っているんだ? 寝が足りなかったと見えて頭が悪いね」
と社長はもう意に介していないようだった。
高顴広額
エレベーター事件以来、私達秘書役は慎んで勤務している。先頃までの意気がない。少くとも私一箇に取っては、お灸が好い薬になった。浅ましい話だが、私は社長の信任を笠に着て、いつの間にか故参の同僚を下目に見る癖がついていた。畑君あたりと話をしていて、課長連中の噂が出ても、
「何あに、あの男は駄目だよ」
と一口に貶しつける。
「何故?」
「大将に信用がない」
「ある筈だがな」
「いや、ないよ。この間僕の見ている前で叱りつけられた」