Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ガラマサどん

ガラマサどん

佐々木 邦

Lisez ガラマサどん de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 99 079 caractères · 202 écrans

Aozora Bunko

「えゝ」

「何分かゝりますか?」

といった具合で、相手になっていると、果しがない。会社まで何分かゝるかということは皆が訊くから、余程重大な問題だろうと思っていたが、これは住所を尋ねた後、真のお世辞に心配してくれる丈けで、深い意味はないのだ。考えて見れば、一時間かゝろうが、二時間かゝろうが、本人以外には痛痒ない。

「二十五分かゝります」

と私はその都度答えているのに、昨今でも、

「お宅は青山でしたね。会社まで何分かゝりますか?」

と未だに半分しか覚えない男がある。

宣伝部に机を並べている畑君丈けは親しい間柄だから、然う慌てゝ態度を変えない。私の値打を初めから認めている。何も彼も知っているのだから、この男に向って勿体ぶっても仕方がない。

「熊野君、君は迚も素晴らしい人気だぜ」

と云って、喜んでいる。

「もう平社員じゃないんだからね」

「皆も然う誤解しているんだ」

「君に会っちゃ敵わない」

「余っ程信用があると思っているよ」

「有難いね」

「ガラマサどんの懐刀だって評判だ」

「ハッハヽヽ。しかしこれでも肥後守ぐらいの切れ味はあるかも知れないよ」

「精々その辺だろうが、世の中は面白いものさ」