Classiques japonais avec furigana
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
Lisez ドグラ・マグラ de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 424 847 caractères · 824 écrans
「歴史の面白くない処は、暗記しとくもんだよ。……ところでその玄宗皇帝が薨じたのは年代記の示す通り天宝十五年に相違ないらしいが、それより七年以前の天宝八年に、范陽の進士で呉青秀という十七八歳の青年が、玄宗皇帝の命を奉じ、彩管を笈うて蜀の国に入り、嘉陵江水を写し、転じて巫山巫峡を越え、揚子江を逆航して奇勝名勝を探り得て帰り、蒐むるところの山水百余景を五巻に表装して献上した。帝これを嘉賞し、故翰林学士、芳九連の遺子黛女を賜う。黛は即ち芬の姉にして互いに双生児たり。相並んで貴妃の侍女となる。時人これを呼んで花清宮裡の双と称す。時に天宝十四年三月。呉青秀二十有五歳。芳黛十有七歳とある」
「これあ驚いた。トテモ記憶え切れない。それもヤッパリ年代記ですか」
「イヤ。これは違う。『黛女を賜う』という一件の前後までは『牡丹亭秘史』という小説に出ている。その小説には玄宗皇帝と楊貴妃が、牡丹亭で喋々喃々の光景を、詩人の李太白が涎を垂らして牡丹の葉蔭から見ている絵なぞがあって、支那一流の大甘物だが、その中でも、呉青秀に関する記述の冒頭だけは、この由来記の内容と一字一句違わないから面白いよ。