Classiques japonais avec furigana
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ピストルのつかいかた
ピストルの使い方
泉 鏡花
Lisez ピストルの使い方 (ピストルのつかいかた) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 100 caractères · 78 écrans
……夜の蓮華の白いのの、いま真青な、麓の川波を綾に渡って、鼓の緒を捌くように響いて。
峰の白雪……私が云うと、ひな唄のようでも、荘厳な旭でしょう。月の御堂の桂の棟。そのお話の、真中へ立って、こうした私は極りが悪い……」
と、袖を合わせた肩細く、
「御覧なさい、その近常さんは、その真中へ、両手をついて、お日様、お月様に礼拝をしたんですって――そして、取って、塚にのせた雪の鶏に、――お名を……銘を……」
ふと、ふっくりするまで、瞼に気を籠め、傾いて打案ずる状して、
「姓がおあんなすったんですがね……近常さん。」
「勿論、それは、ここで、きみが天狗から聞いたんだね。」
「はあ。」
「あいにく、いまだ石碑がない。」
と、袖も寂しそうに塚に添い、葉を擦った。
「名のりは、きみが幾たびも言ってくれたので、まざまざと、その顔も容子も、眉毛まで見えるように思われてならないよ。」
「どうして思出せないんでしょう。いいえね、あの、近常さんの方は、――一字、私の名が入っていたので、余り覚えよかったもんですから……」
「ああ、お近さん。」
「常で沢山。……近目のようで可厭ですわ、殿方と違いますもの――貴方は?」