Classiques japonais avec furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lisez フレップ・トリップ de 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 698 caractères · 293 écrans
這入って見ると鉄渋色の鉱泉で、それも沸し湯だった。上って浴衣を借りると、実に薄汚なくてくしゃくしゃしている。一室に通してもらうと、生新らしい廉物の畳のにおいと木材のにおいだ。敷島をと呼んでもないという。麦酒となると、顔いっぱいに赤い湿疹のふき出た二十五、六の内儀が、おなじく赤いぶつぶつの乳房をはだけて、怪しげな赤ん坊の頭を片手で吊り気味に強く押しつけて、それでお盆に沢庵と一緒に載っけて出て来た。その麦酒も気が抜けて腐れていた。
どうにも気持が悪いので、そこそこに飛び出したが、いったいどういう家なのだろうな。何でも極めて閑散なものだったよ。
それから、遊廓の大通りへかかると、向うの木橋から、白い服の、そして胸高な青の袴の朝鮮の女が楚々として光って来た。華魁なのだ。
広っぱがあって、それからが、プカプカドンドンだ。曲馬の天幕の前には三角耳の眼の細い象の子が、赤と金との鞍掛けに飾られて、まだ初々しい灰色の曲り鼻をあげあげ客呼びしていると、それと対って、白狐とも化け猫ともつかぬ絵看板の、「これはこのたび奥州気仙沼は何とか何兵衛の女房お何が生み落しましたる血塊童子でござい。