Classiques japonais avec furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lisez フレップ・トリップ de 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 698 caractères · 293 écrans
ねば耳にもとまらぬ薄っぺらの赤い舌の先きのプロペラではある。
「えろう、早うおまんな。何というてやはるのやな。」
「へへん、雲雀の生れ代りだっせ。あかん。」
「あやつアくさい。気狂じゃろうのう、あんまり饒舌らすもんな。」
「どうしましたい。まだやってますかい。やれやれ。」
「驚いたね。よくもあの舌が廻るもんだな。ハーン。」
「えれえ、えれっちゃ。」
「ヤハハイ、ヤハイ。」と少年たち。
「止しやがれ。」ピーと誰かが口笛を奔らす。
「ああ、ああ。」
「ああ、ああ。」
「ああ、ああだ。」
「はあ、へえだ。」
初めはその諧謔、淫靡、精根、類の無い饒舌の珍らしさに、後から後からと黒山のように群って、盛んに拍手し喝采もしていた聴衆も、あまりの目まぐるしさに、それに長い時間をたった一人で遮二無二押しとおすその単調さに、ぼつぼつと、ああああと欠伸し出して来た。
「誰だい、いったい、彼奴は、船客かい、船員かい。」
「誰だか、何だか、海坊主でも匍い上ったもんらしいぜ。これからそろそろ韃靼海だからね。」
誰ひとり、その銀鍍金の饒舌家を知る人はなさそうに見えた。何でもうまく変貌していたにちがいない。