Classiques japonais avec furigana
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マクシム・ゴーリキイのでんき
マクシム・ゴーリキイの伝記
宮本 百合子
Lisez マクシム・ゴーリキイの伝記 (マクシム・ゴーリキイのでんき) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 60 543 caractères · 120 écrans
「さて、学問のあるお前のことだ。この問題を噛み分けて見な。ここに、千人の裸坊主がいる。五百人が女で、五百人が男だ。この中にアダムとエヴァがいるが、お前はどこで見分けるかい?」
ゴーリキイを、散々卑猥な説明で悩してから爺は教えた。
「つまりはお前も馬鹿な小僧さんだね。アダム、エヴァは生れた人間じゃなくて、造られた人だから、臍が無いじゃないか!」
ニージニの肥え太った商人達は、冬期は特に退屈に圧されて惨忍な馬鹿気た慰みをやった。商人の生活ぶりはゴーリキイの気に入らない。また所謂信心深い連中、殉教者というのが実はただ意志を固定させているだけで未来に向ってちっとも伸びようともせず、伸びるだけの能力を持ってもいないこと、翼をもがれ、手足をとられていても狭苦しい偏見や独断に馴れた精神と感情とは、習慣で徒に真理の墓を守っている。信仰の堅いという連中は、その生活の中ではちっとも愛の光に照されていず、寧ろ喜んで互に圧迫しあっている。これらの毎日の観察は、ゴーリキイの生涯に譲ることのない確信として、習慣による信仰が最も悲しむべき有害な現象であることを理解させる土台となったのであった。