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Classiques japonais avec furigana

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ランプのいろいろ

ランプのいろいろ

寺田 寅彦

Lisez ランプのいろいろ de 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 199 caractères · 7 écrans

Aozora Bunko

こんな長所はあるが惜しい事にはこの光には赤い色を含んでいないから、赤いものをこのランプの光で見ると黒く見える。人の顔でも手でも青みを帯びた不快な黄色に見え、唇などはまるで死人のようになる。それで衣服でも器具でも室内のものはほとんど皆本来の色を失うてしまうから家庭用には用い難い。写真用の外には工場の灯用などに用いられている。劇場で幽霊などの場に使ったら面白いだろうと思われる。前に新橋の停車場の天井に一つ使っていたが今はどうだか知らぬ。水銀灯の不快な色をなおす工夫も色々研究された。例えば水銀の中に他の金属を入れてアマルガムにすると赤い色も出す事が出来るが、そうするとまた電力の利益が少なくなるといったような訳でまだ成効の域には達していぬ。

ついでに灯火の色についても近頃色々研究されている。一体物の色というのはそれを照らす光の色に依るので、例えば染物類を昼日光で見たのと夜石油ランプで見たのと全くちがう場合が多い。先ず今日の処では炭の棒を使った弧灯の光が一番日の光に近いものだと云うから、呉服屋などではこれを使ったらよかろうと思うのである。それから色の不完全な灯光を始終使っていると遂には一種の色盲になる恐れがあると心配している人もある。