Classiques japonais avec furigana
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レモンのはなのさくおかへ
レモンの花の咲く丘へ
国枝 史郎
Lisez レモンの花の咲く丘へ (レモンのはなのさくおかへ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 016 caractères · 142 écrans
それが私の身にふりかかっている、命の預言! この世の運命……そんなことがあるものか、私は長く長く此処に居て、五色の糸を織る身じゃもの。今の音は、雲の間で空しく鳴る、意味のない雷の音よ! (されど不安そうに耳を澄ます。静。女子淋しく笑いて機に手をかけ、五色の糸を見て驚く)――糸が切れた! (青と赤との糸切れてあり)青と赤との糸が切れた! (と機より立ち上がらんとして再び座し、手にて顔を蔽う。忍び泣き。三分間。やがて女子顔を上げて、残りの三色の糸を見る)ああ、私は何も云うまい。まだ三色の糸が残っている。私は三色の糸で機を織ろう。この三色の糸の切れぬ中は、私は此処に居られる身じゃ……。私は何も云わぬことにしよう。(女子再び機を織る。以前よりは悲しき声にて歌う)
白糸の清ければ
乙女心よ、
やがて染む緋や紫や
あるは又罪の恐れの
暗に似てか黒き色の
罪の黒糸
罪の黒糸。
さまざまの色ある糸の
綾を織る人の世の象
ああ斯くて日を織り月を
年を織り命を織りて、
人生を織りて行く梭か。
(その日のために)
(歌声やむ時、第二の城門の開く音す。女子耳を澄ます)
女子 第二の城門は瀧のように落ち下る、泉の水で守られている。