Classiques japonais avec furigana
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ちょいとあやし
一寸怪
泉 鏡花
Lisez 一寸怪 (ちょいとあやし) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 256 caractères · 7 écrans
怪談の種類も色々あって、理由のある怪談と、理由のない怪談とに別けてみよう、理由のあるというのは、例えば、因縁談、怨霊などという方で。後のは、天狗、魔の仕業で、殆ど端睨すべからざるものを云う。これは北国辺に多くて、関東には少ない様に思われる。
私は思うに、これは多分、この現世以外に、一つの別世界というような物があって、其処には例の魔だの天狗などという奴が居る、が偶々その連中が、吾々人間の出入する道を通った時分に、人間の眼に映ずる。それは恰も、彗星が出るような具合に、往々にして、見える。が、彗星なら、天文学者が既に何年目に見えると悟っているが、御連中になると、そうはゆかない。何日何時か分らぬ。且つ天の星の如く定った軌道というべきものもないから、何処で会おうかもしれない、ただほんの一瞬間の出来事と云って可い。ですから何日の何時頃、此処で見たから、もう一度見たいといっても、そうは行かぬ。川の流は同じでも、今のは前刻の水ではない。勿論この内にも、狐狸とか他の動物の仕業もあろうが、昔から言伝えの、例の逢魔が時の、九時から十一時、それに丑満つというような嫌な時刻がある、この時刻になると、何だか、人間が居る世界へ、例の別世界の連中が、時々顔を出したがる。