Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いっすんぼうし

一寸法師

江戸川 乱歩

Lisez 一寸法師 (いっすんぼうし) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 475 caractères · 194 écrans

Aozora Bunko

真夜中の冷気が身にしみる様だった。遠くの街燈の逆光線を受けて、真黒く立並んでいる大小様々の石塔が、魔物の群集かと見えた。別の怖さが彼を襲い始めた。

どこかで、押しつぶした様な、いやな鶏の鳴声がした。それを聞くと彼はもう堪らなくなって逃げだしてしまった。墓場を通り抜ける時は何かに追駈けられている気持だった。それから、夢の中の市街のように、どこまで行っても抜け道のない、複雑な迷路を、やっとのことで、電車道の大通りまでたどりつくと、丁度通り合せたどっかの帰りらしい空のタクシーを呼び止めて、下宿に帰った。運転手が面倒臭そうに行先を尋ねた時、彼はふと遊びの場所をいおうとしたが、思い直して下宿のある町を教えた。彼は何だか非常に疲れていたのだ。

「おれの錯覚なんだろう。人間の腕のふろ敷包みなんて、どうも余り馬鹿馬鹿しいからな」

部屋中に満ち溢れている春の陽光が、彼の気分をがらりと快活にした。昨日の変てこな気持がうその様に思われた。

彼は一つ大きく伸びをして、下宿の主婦が置いて行ってくれた、枕頭の新聞を拡げると、彼の癖として先ず社会面に眼を通した。別に面白い記事も見当らぬ。