Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いっすんぼうし

一寸法師

江戸川 乱歩

Lisez 一寸法師 (いっすんぼうし) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 475 caractères · 194 écrans

Aozora Bunko

気候がいいので、どこのベンチもふさがっていた。大抵は一つのベンチを一人で占領して、洗いざらした法被姿などが、長々と横わっていた。中にはもういびきをかいて、泥の様に熟睡しているものもあった。初心の浮浪人は巡査の目を恐れて、ベンチを避け、鉄柵の中の暗い茂みを寝床にしていた。

その間を奇妙な散歩者が歩くのだった。寝床を探す浮浪人、刑事、サーベルをガチャガチャいわせて三十分ごとに巡回する正服巡査、紋三と同じ様な猟奇者、などがその主なものであったが、外にそれらのいずれにも属しない一種異様の人種があった。彼等は一寸その辺のベンチに腰をおろしたかと思うと、じきに立上って同じ道を幾度となく往復した。そして木立の間の暗い細道などで外の散歩者に出逢うと、意味ありげに相手の顔をのぞき込んで見たり、自分でもそれを持っている癖に、相手のマッチを借りて見たりした。彼等は極めて綺麗にひげをそって、つるつるした顔をしていた。縞の着物に角帯など締ているのが多かった。

紋三は以前からこれらの人物に一種の興味を感じていた。どうかして正体をつきとめて見たいと思った。彼等の歩きっぷりなどから、あることを想像しないでもなかったが、それにしては、皆三十四十の汚らしい年寄りなのが変だった。