Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
Lisez 一足お先に (ひとあしおさきに) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 40 200 caractères · 79 écrans
ないくらい神経過敏になり切っていた。妹に話したら噴き出すかも知れないほど、臆病者になり切っていたのであった。それはもうこの時既に、逸早く私の心理に蔽いかかっていた、片輪者らしいヒガミ根性のせいであったかも知れないけれども……。
そう思い思い私は、変り果てた姿で、高い処に上がっている自分の足を見上げて、今一つホーッと溜息をした。
その溜息はホントウの意味で「一足お先きに」失敬した自分の足の行方を、眼の前に見届けた安心そのもののあらわれに外ならなかった。同時に、これからは断然足の夢を見まい……両脚のある時と同様に、快活に元気よくしよう……片輪者のヒガミ根性なぞを、ミジンも見せないようにして、他人様に対しよう……放ったらかしていた勉強もポツポツ始めよう。そうして妹に安心させよう……と心の底で固く固く誓い固めた溜め息でもあった。
私はアンマリ長い事あおむいて首が痛くなったので、頭をガックリとうつ向けて頸の骨を休めた。そのついでに、足下の棚の低い瓶の中に眠っている赤ん坊が、額の中央から鼻の下まで切り割られた痕を、太い麻糸でブツブツに縫い合わせられたまま、奇妙な泣き笑いみたような表情を凝固させているのを見返りながら、ソロソロと入口の扉の前に引返した。