Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
Lisez 一足お先に (ひとあしおさきに) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 40 200 caractères · 79 écrans
で、室内の模様がチットモわからない。変だなと思って、なおよく瞳を凝らしてみると何の事だ。向う側の把手に捲き付けてある繃帯の端ッコが、ちょうど鍵穴の真向うにブラ下がっているのであった。
私はこの小さな失敗に思わず苦笑させられた。しかし又、そのお蔭で一層冷静に返りつつ、扉の縁と入口の柱の間の僅かな隙間に耳を押し当てて、暫くの間ジットしていたが、室の中からは何の物音も聞えて来ない。一人残らず眠っている気はいである。
「一般の入院患者さん達よ。病院泥棒が怖いと思ったら、ドアの把手を繃帯で巻いてはいけませんよ。すくなくとも夜中だけは繃帯を解いて鍵をかけておかないと剣呑ですよ。その証拠は……ホーラ……御覧の通り……」
とお説教でもしてみたいくらい軽い気持ちで……しかし指先は飽く迄も冷静に冴え返らせつつソーッと扉を引き開いた。その隙間から室の中を一渡り見まわして、四人の女が四人ともイギタナイ眠りを貪っている様子を見届けると、なおも用心深く室の中にニジリ込んで、うしろ手にシックリと扉を閉じた。
私は出来るだけ手早く仕事を運んだ。
室の中にムウムウ充満している女の呼吸と、毛髪と、皮膚と、白粉と、香水の匂いに噎せかえりながら、片手でクロロフォルムの瓶をシッカリと握り締めつつ、見事な絨毯の花模様の上を、膝っ小僧と両手の三本足で