Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みっつのまど

三つの窓

芥川 竜之介

Lisez 三つの窓 (みっつのまど) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 811 caractères · 14 écrans

Aozora Bunko

「そうだろうな。おれでも八つ裂きにし兼ねないから。」

彼の言葉は独身者の彼だけに言われるのに違いなかった。彼の友だちのY中尉は一年ほど前に妻帯していたために大抵水兵や機関兵の上にわざと冷笑を浴びせていた。それはまた何ごとにも容易に弱みを見せまいとするふだんの彼の態度にも合していることは確かだった。褐色の口髭の短い彼は一杯の麦酒に酔った時さえ、テエブルの上に頬杖をつき、時々A中尉にこう言ったりしていた。

「どうだ、おれたちも鼠狩をしては?」

ある雨の晴れ上った朝、甲板士官だったA中尉はSと云う水兵に上陸を許可した。それは彼の小鼠を一匹、――しかも五体の整った小鼠を一匹とったためだった。人一倍体の逞しいSは珍しい日の光を浴びたまま、幅の狭い舷梯を下って行った。すると仲間の水兵が一人身軽に舷梯を登りながら、ちょうど彼とすれ違う拍子に常談のように彼に声をかけた。

「おい、輸入か?」

「うん、輸入だ。」

彼等の問答はA中尉の耳にはいらずにはいなかった。彼はSを呼び戻し、甲板の上に立たせたまま、彼等の問答の意味を尋ね出した。

「輸入とは何か?」

Sはちゃんと直立し、A中尉の顔を見ていたものの、明らかにしょげ切っているらしかった。