Classiques japonais avec furigana
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さんにんのそうまだいさく
三人の相馬大作
直木 三十五
Lisez 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 603 caractères · 66 écrans
(とにかく、一服して、腹ごしらえをしてからだ)
編笠から眺めると、土堤沿いの、大きい木蔭に、簾を立てて茶店があった。樹の背後の土堤の草の中に、馬が二匹、草を食んでいた。
(飯を食ってだ)
と、思って、右源太は、茶店へ急いだ。
十四
鰊の焼いたのと豆腐とで飯を食べていると
「八文かね――置くよ」
と、隅で元気のいい声がした。右源太は一杯目の飯を食ってすぐ
「代り」
と、茶碗を突出した時
「どっこいしょ」
と、右源太の後方で、懸声して
「お武家様、少々」
と、丁寧にいった。右源太は、大きく開いた右脚を、引込めて、振向くと、すぐ、顔を反向けた。
(大作だ――いいや、よく似ているが違う。鼻が違う)
大作を恐れる心が、右源太を、警戒させ、狼狽させたが、ちがうと思うと、すぐ、振向いて、その男の顔を眺めた。大作と同じ頃の齢で、ただ少し、鼻が低い外、似た男であった。木刀を一本差して、南部家中の小者らしく、挟箱を肩にしていた。
「御免なされ」
右源太の前を、小腰をかがめて通って
「さよなら」
と、竈の前の、爺に声をかけた。横顔も、どこか大作に似ている。
「さよなら、有難うよ」