Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うえのかいわい
上野界隈
久保田 万太郎
Lisez 上野界隈 (うえのかいわい) de 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 435 caractères · 11 écrans
おすが あかぬ詠めの戻り道
おやま 月夜の梅の薫りよく
おたみ ねんねこ歌でも唄ひますべい。
おすが ほんに此子も風流人
己之助 こいつを聞いたら(とおたみをみるを木の頭)夜雪庵もはだしだらう。
と両人気味合よろしく、このもやう流行唄大拍子にて
と幕になっている。……といつても、これ、勿論『婦系図』のほうには近代的憂苦のかげをやどした抒情詩が蒼褪めている。
*
それにつけても不忍の蓮のことである。夏の、あの、花のかげをかくして池一面、堆くもり上るように伸び交した大きな葉の水々しさを、濃淡を、晴れ切った真っ青な空の下に遠くのぞむのもよければ、冬、素枯れつくしたあとの褐色の太い茎のかげを浸して冷めたくひろがった水、その水のうえにそそぐ時雨の音の忍びやかに「夕暮」をさそいかけるながめもいい。が、折角のそのけしきもしばいの役には根っから立っていない。最も有名なのが前記『黒手組曲輪達引』の番頭権九郎の突落されである。近年になっても、何々情話式の、安価な赤本新派劇の序幕あるいは二幕目に、たとえば山崎長之輔扮するところの仕事師と河原市松扮するところの芸妓とが相合傘で雨の中を出て来る底の色もようの道具位にしかつかわれず栄えないことおびただしい。