Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

「したじき」のもんだい

「下じき」の問題

宮本 百合子

Lisez 「下じき」の問題 (「したじき」のもんだい) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 838 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

あらゆる種類の労働にしたがい、勤労に従事している現代の多数の人々――すなわち読者たちは、誰だって、職場が自分たちを、それぞれの場における従順な部分品としてだけ必要としている事実を、日々の現実から知りつくしている。そのように人間性が部分品視されるに堪えがたい思いがあるからこそ、読者は、「ほんとの文学」にひかれる。そこに求めているのは、意識しているいないにかかわらず、人間らしさであり、人間らしさは、おのずから全人間的な存在の欲求である。部分品としてある環境に据えつけられたものでなく、自分で生き、自分で行動し、自分で判断して生きてゆく人間男女をあこがれている。若い人々が翻訳小説にひかれている動機もここにある。

かつては、世界で一番一人当りの貯金高の多かったイギリスの中流人の生活という安穏な日々の基盤の上に、ゴルフが流行し、同じ消閑慰安の目的にそうものとして探偵小説が発達したことには、必然があった。吉田首相がイギリスの探偵小説をよみ、日本の大衆小説をよむ所以であろう。だが、慰みと、文学への欲求とは、一つのものであるだろうか。

もとより、めのこ算用で、部分品の全部がくみ合わさった状態における人間を考えたり、それを描いたりすることは、現代の複雑な社会機構の中では不可能である。