Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふしょうのあに
不肖の兄
豊島 与志雄
Lisez 不肖の兄 (ふしょうのあに) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 889 caractères · 39 écrans
「苦しそうですねえ。」
「ええ、そりゃあ苦しいんですって。喇叭管がひきつけるから、腰と下腹がちぎれて取れそうだって云いますよ。お産の時と同じだそうですもの。」
「へえー、そうですかねえ。」
僕は一人で茶をいれて飲んでいた。
「それじゃあ、痙攣かい。」
「ええ。」
「では、唐辛子をはるといいんだよ。」
「あら、いやーね、そりゃあ胃痙攣のことよ。」
照代はそれでも学者だった。先生は蒟蒻で温めるように云ったけれど、氷で冷しきった方がいい、それも人によるんだけれど、などと云っていた。
僕はいい加減のところで立上りかけた。
「じゃあお大事に……。僕は帰るから。」
「いやよ。駄目……。待ってるのよ。」
ねえーと云った調子で、鏡の横から、出来るだけ大きく見開いた露わな眼で、彼女は僕の眼に見入ってきた。それに自然とうなずいて、僕はまた腰を据えた。
美代子の痙攣は度々起った。照代はその度に立っていった。僕はそこの長火鉢と箪笥との間に、メリンスの座布団を二枚並べて小さく寝そべった。ばあさんが掻巻を着せてくれた。そして、木目の飛出した天井板や、ごてごて飾り立てられた真赤に見える神棚や、お師匠さんの手に渡ってる照代の長い髪や、どこからかの電話や、美代子の痙攣や、赤っぽい電燈の光や、そんなものを断片的に意識しながら、出来るだけ縮こまってると、いつのまにか