Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

Lisez 世界の一環としての日本 (せかいのいっかんとしてのにほん) de 戸坂 潤 (とさかじゅん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 338 caractères · 422 écrans

Aozora Bunko

の口吻を以て語り出す。西田哲学が愈々力を伸ばして来ると今では西田哲学のマネージャーのように振舞う。だから彼には思想上の節操とかいうものを感じることが出来ない、という人がいるかも知れない。だがこの点は必ずしも当ってはいない。必ずしもと云うのは、彼は「悧口」な男という通り相場を持っている通り、極めて聡明で要領のよいというのも事実だから、彼の豹変の心理には何物かがないとは断言出来ぬ。だが少なくともこの際、それが凡ての実質ではない。

谷川徹三氏の批評であったかと思うが、三木清なる学者は、優れた独創家というよりも寧ろ優れた解釈家だ、という言葉があって、それが比較的世間に通用している。もしそうだとすると、凡て新しく現われた支配的な事情を逸早く呑み込むことこそが、三木の本領でなければならぬわけになる。でその結果だけを見れば、マルクス主義時代にはマルクス主義、西田哲学時代には西田哲学、ということになるのも決して無理ではない。必ずしも豹変するのではなくて、時代の趨勢を追うて行く思想の牧人と云った方がよく、まして変節漢などの類ではないのだ。

彼が優れた独創家でない、ということは或いは当っているかも知れない。