Classiques japonais avec furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lisez 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 122 039 caractères · 248 écrans
「一年にムースが一匹食えますか」ときくと「犬に大部分やるさ。僕が食うのは、いいところだけだ」とすましている。
そのうちに雪の話になった。今まで大分圧迫されていたので、雪なら日本が一番ひどいでしょう、本州の北海岸では、五メートルくらい積る所が珍しくないという話を持ち出した。そしたらアラスカの第一区(加奈陀の太平洋岸)の氷冠(万年雪で蔽われている地帯)では、一回のストームに十メートル積ることがあるという。
「それは局部的な吹き溜りでしょう」ときくと、「氷冠といっても、面積は日本の本州の半分くらいはあるだろうかな」といいながら、地図帳を持ち出してきた。「そんなにはない。北海道くらいの面積だ」といって、地図を見せてくれた。今まで日本で、若い学生たちに、「世界を見る眼が大切だ」などと話していたのは、少々冷汗ものである。どうも世界は広大なものだと、つくづく感心した。北陸や北海道の雪も、これからはあまり自慢しないことにしよう。
翌朝約束どおりに、十二時に飛行場の待合室へ行ってみたら、ワイラー氏が、リュックだの、トランクだの、釣竿の筒の縛ったのだの、七個ばかりの大荷物を抱え込んで、すまして腰をかけていた。