Classiques japonais avec furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lisez 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 122 039 caractères · 248 écrans
私たちは暗くならぬうちに宿へ帰るべく道を急いだ。宿の近くになって、広い道を正面に見るところへきたら、風がその道を真直に、私たちの方へ向って吹いてきた。そして夕闇の行手のむこうに、さっきの土工たちが、一列になってこの道を横切るのが見えた。宿舎へ帰るのであろうが、それにしては、余りはずんだ足取りでもなかった。広い道も、両側の背のひくい家も、道を横切る土工の列も、皆一色に黒ずんで、色彩のない世界であった。間もなくその列も姿を消し、あとは私たちの外には、ほとんど人通りのない広い道であった。
宿へ帰って、またツンドラ地帯に特有な、醤油色に黒ずんだ水の風呂にはいった。ツンドラ地帯では、排水溝に流れる水も、所々にあるたまり池の水も、この地帯を流れる川までも、皆赤黒く色がついているのである。多量の有機分が膠質状にとけこんでいたり、腐植酸が沢山含まれているためだということである。この土地に住む人たちは、外に水が得られないので、飲料水としてもこの水を使っている。別に有毒ということもないそうであるが、余り気持のよいものではない。
次の日は朝早く、この附近にある小さい測候所へ、気温と地中温度との資料を貰いに行った。