Classiques japonais avec furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lisez 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 122 039 caractères · 248 écrans
また情報が得られても、完全に近い標本はなかなか得られなかった。そのうちでは、一七九九年にレナ河の三角州の岸で、アダムスが発掘した標本が一番完全に近いものとして、当時のペテルブルグの博物館を飾ったのである。一万年前のマンモスの肉を、ツングースがその犬に喰わせたという話は、この発掘の時のことである。『マンモスを求めて』の著者が、一九〇一年にベリョゾフカ河の岸で発掘した標本が、今までのうちで最も完全に近いものであった。一部の肉はよく保存され「それが凍っているかぎり馴鹿や馬の凍肉のように暗紅色をして新鮮な様子で」あったが「溶け始めると様子はすっかり変って、ブヨブヨになり、色も灰色に変り、鼻を衝く臭気を発散した」発掘の仕事に六週間、周囲のすべてのものに滲みこんだこの耐え難い臭気を、この著者は「マンモスの臭気だと思って」我慢したそうである。肉ばかりでなく「四分の三インチの厚さのある皮の下には、三インチ半位の脂肪の層があり」それらもよく保存されていた。
北満の永久凍土地帯でも、マンモスの骨はまれには発掘されることがある。われわれの遠い祖先石器時代の住民たちと共に棲んでいたマンモスが、そのままの姿で現出してくるということは、考えるだけでも妙に心を惹かれる話である。