Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かずえはいそがしい

主計は忙しい

山本 周五郎

Lisez 主計は忙しい (かずえはいそがしい) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 315 caractères · 37 écrans

Aozora Bunko

平之助はなにも云わなかった。歯をくいしめ、かっと眼を瞠り、暫く呼吸をはかっていたが、とつぜん跳躍すると「えい」つんざくように叫んで籠手を返す、刀は主計の左脇から面上へのびたが、同じ刹那に主計の躯が棒のようになり、その刀が大きく、のの字を描いて光った。――平之助はあっと叫び、刀をとり落してだっと左へのめったが、若木の梅のえだに躯をぶっつけて顛倒した。……すると彼の躯の上へはらはらと、梅の花が雪のように白く散りかかった。

「これでわかったろう」主計は丁寧に刀を拭いながら云った、

「――右手の肱の筋を斬ったんだ、もう剣術はやめるがいい、おまえのはいつか必ず身を滅ぼす剣だ、なにかほかのことで身を立てるんだな」

平之助は倒れたまま、苦しげに喘いでいた。

「医者に来るように云うから此処にいるがいい、じゃあ元気になれよ、気を変えればなにをしたって楽しく生きられる、縁があって会うようなときには、おまえの明るい顔がみたいものだ、――武田、正直に生きるということはそれだけでもいいものだぞ」

そして主計は馬を曳きだし、さっさと梅林から出ていった。

――医者をみつけて、武田の手当を頼んで、道場へ帰って、改めて結婚を申込んで、仲人を誰に頼むか。