Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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くさかようこのたんじょうとしぼう

久坂葉子の誕生と死亡

久坂 葉子

Lisez 久坂葉子の誕生と死亡 (くさかようこのたんじょうとしぼう) de 久坂 葉子 (くさかようこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 580 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

その頃、二つ程、かいたものは、今だってよむにたえない。富士氏のところへ持って行って、大馬鹿野郎としかられたものだ。彼は、私をじっとみつめながら、ラジオと縁をきれ、とぼそっと云った。はいと私はこたえたが、丁度、クラブで御払い箱になった私は、収入の点で、やはりNJBにくっついていたかった。その上、私は、一生のうちに、もう二度とくりかえさないだろう程の大恋愛の最中だったのだ。ラジオに関係のある人だったから、辞めるわけにはゆかない。私は、小説が書けない、何も出来ない状態のまま、NJBに通っていた。そして、彼との媾曳だけで生きていた。他に何も考えなかった。未来のことも、仕事のことも、すべて無理矢理に、私は自分で考えるなと強いたのだ。たしかに私は、大いなる誤算をしたわけだ。恋愛はとんだ結末になりかけた。私は、何でもいいから私だけの仕事をしたいとのぞんだ。偶然、又新日報という新聞が出来、最初の連載小説をたのまれた。一回千円の契約で、年内中に二十回分を渡した。一月四日から、奥村隼人氏のさしえで、「坂道」は発表されて行った。ごたごたした感情と、ごたごたした生活を送っていたため、実に荒いまずい小説だと自分で感じながら、とにかく書いたものが、たかが地方のヤボな新聞であれ、発表されてゆくことが、何らかの気やすめになったのである