Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ここのつのかぎ
九つの鍵
野村 胡堂
Lisez 九つの鍵 (ここのつのかぎ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 349 caractères · 42 écrans
きょうは姉の丹精らしく、さすがにみの虫の浅ましい風態ではなく、つぎだらけの学生服に、大徳帽をボロきれのようにおもちゃにしております。
「ぼくもまだおちついて聴いていないんだ、けさ帰った時はちょうどおとぎばなしの『眠りの城』にはいったような心持ちだったよ、従弟の誠一君もようやく元気になったようだから、くわしくゆうべの話を聴いてみよう」
三郎はそう言って、書生に言いつけて、植野誠一を呼ばせました。
やがてはいって来たのは、まだ青い顔はしているが、それでもなかなかの元気者らしい植野誠一でした。十九というにしては背の低い、子供子供した感じの、よく肥った色白で、皆んなから照国というあだ名で呼ばれている青年です。
「どうだい、誠ちゃん、元気は?」
三郎はシンのハミ出した長イスを半分わけて、いたわるように掛けさせました。「もう大丈夫だ、――ひどい眼に逢ったよ、胸が悪くて頭痛がして困ったが」
誠一はそう言って、愛嬌者らしい眼を細めて、子供が苦い薬でも飲まされた時のような渋い顔をするのでした。
「その時のようすをくわしく話してくれないか、気分が大して悪くなかったら」
「いいとも――でも、つまらない事なんだ、あんな餌に引っかかったのが悪かったんだ」