Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くがつよっか
九月四日
岡本 綺堂
Lisez 九月四日 (くがつよっか) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 447 caractères · 5 écrans
誰も草採りをする者もないので、名も知れない雑草は往来のまん中にまで遠慮なくはびこって、僅かに細い通路を残しているばかりであるが、それも半分は草に埋められて、路があるかないか判らない。誰がどこの土を運んで来て、なんのために積んだのか捨てたのか知らないが、そこらにはかつて見たこともない小さい丘のようなものが幾ヵ所も作られて、そこにも雑草がおどろに乱れている。まったく文字通りに荒凉たるありさまで、さながら武蔵野の縮図を見せられたようにも感じられた。
大かたこんなことであろうと予想してはいたものの、よくも思い切って荒れ果てたものである。夏草や兵者どもの夢の跡――わたしも芭蕉翁を気取って、しばらく黯然たらざるを得なかった。まことに月並の感想であるが、この場合そう感じるのほかはなかったのである。
隣にK氏の新しい建物が立っているので、わたしの旧宅地もすぐに見出されたが、さもなければ容易にその見当が付き兼ねて、路に迷った旅人のように、この草原のなかを空しくさまよっている事になったかも知れない。わたしは自分の脊よりも高い草をかき分けて、ともかくも旧宅のあとへ踏み込んでみると、平地であったはずのところがあるいは高く、あるいは低く、なんだか陥し穽でもありそうに思われて迂濶には歩かれない。