Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちぶさ

乳房

宮本 百合子

Lisez 乳房 (ちぶさ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 932 caractères · 56 écrans

Aozora Bunko

それは明らかに云いがかりで、そのまま帰りかけたが、

「おい、ありゃ、何だ!」

ステッキの先で指すのを見ると、それはこの間溝にうちこまれたあと、また立て直されている託児所の標識であった。

「何って――わかりきってるじゃないか」

タミノが出て云った。

「もう一年もあすこに立ってるんだもの」

「立てていいって誰か云ったのか?」

いかにも煩さそうに、タミノが、

「だって、立ってるんだもの。ここがこうやってあるんだから――」

と云いかけると、その男はおっかぶせて、

「そりゃ分らんよ」

といやに意味深長に云った。

「こっちで、ない、と見りゃ、在りゃしないじゃないか。日本プロレタリア文化連盟だって、当人たちはあるつもりらしいが、我々の方じゃ、あらせちゃいないんだ」

タミノは、その男が去ると、地べたへ唾を吐きつけて云った。

「チェッ! すかんたらしい!」

その次の日の午後二時頃、ひろ子が二階でニュースの下書きをしていると、誰かが一段、一段と重そうに階子をのぼって来る跫音がした。きき馴れない足どりであった。ペンを持ったまま振り向くと、そこには鍾馗タビの稲葉のおかみさんが、風呂敷包みを下げたなり上って来ている。