Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lisez 二つの庭 (ふたつのにわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 492 caractères · 389 écrans

Aozora Bunko

世間並の礼儀は一応まもらなければならないが、しんからの話相手とは出来ず、いくらか手もちぶさたなような、退屈なようなとき、相川良之介は、両方の手を、蠅があしをすり合わせるような工合にして、もて扱う癖があるらしかった。彼や久留雅雄が同人雑誌に作品を発表したばかりの頃、本をかりるために相川良之介が動坂の家へよったことがあった。そのときのことを多計代はいうのであった。伸子は、そのとき、どんなに相川良之介が、その手もちぶさたらしい手つきをしたか、はっきり覚えている。

伸子は、きょう、ここへよったことは間違っていた、と思った。伸子は悲しそうに黙っていたが、やがて、

「わたし、すこしねて来ていい?」

ときいた。

「あんまりくたびれたから……」

多計代は、すこしびっくりして、

「さあ、さあ、おねなさいとも。――でも大丈夫なのかい、ただねるだけで」

「いいの、いいの」

青桐の葉ごしの光線でその座敷にしかれた蒲団のシーツの白さが緑に光るようなところで、伸子は、団扇を顔の上において、本当にすこし眠った。

となりの室で多計代が何かいっている声で伸子は、目をさました。

「なるたけもって行くまいよ、ね、きりがありゃしないもの」