Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lisez 二つの庭 (ふたつのにわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 492 caractères · 389 écrans

Aozora Bunko

つや子の学校も夏休みになり、近日中に、東北の田舎の家へ出かける、その仕度であった。

伸子は、真夏のひるねからさめた新鮮な顔つきでそこへ出て行った。

「いつお立ち?」

「四五日うちには立たなくちゃなるまい」

「ことしは誰が行くの」

「さあ……ともかくわたしは出かけるよ、またあせもがこわいから」

多計代は糖尿病をもっていた。あせもがよって、悪化して、大変苦しんだことがあった。それから、夏の間は東京にいないことになっているのだった。

「お父様はだめ?」

「それゃ、一寸はおいでになるだろうけれどね、例のとおり忙しいから――保さんは来るよ」

そういえば、伸子が来たときから保が見えなかった。

「保さん、うち?」

「ああ」

満足そうに多計代は、

「あのひとは相変らずさ、よく勉強している……この節は毎朝六時すぎに出かけて、ドイツ語に通っているよ」

フランス語の文丙にいる保がドイツ語をはじめた、ということは一応高等学校の上級生らしいことであった。けれども伸子は、ドイツ語ときくと、そこに越智を連想され、ひいて、保の日頃から思弁ぐせにつらなって考え、単純にきけなかった。保は、このごろも越智のところに出入しているのだろうか。