Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lisez 二つの庭 (ふたつのにわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 492 caractères · 389 écrans

Aozora Bunko

伸子は、そのとき座敷にいたこともあり、いなかったこともある。不機嫌になって座敷の真中の卓の、床の間よりの側に坐る伸子に、白服をきた沼辺耕三ははなれた縁側から、話しかけた。

「きょうは吉見さんは――お留守ですか?」

そして、奥をのぞくようにした。伸子のこころに、留守ならばどうだというのだろう、と思わせるいいかたできいた。いくら伸子がことわっても、何か書けと求めた。そのおしのつよさは、伸子に自然なものとしてうけとれず、俗に男はおし、という、そういう意味でのおしの感じに通じていて、沼辺耕三を嫌悪した。

その男が、きょうは浴衣がけで来た、と思って、伸子はいそいで縁側から立って奥へ入ろうとした。すると、庭へ入りかけていた白い浴衣の人は、伸子のおどろいたのがわかったと見え、

「や、失敬しました」

といった。

「――玄関へまわった方がいいですか」

眼を定めてみれば、それは、沼辺耕三とはまるで別の人であった。ただ、三十をすこし出た年恰好が似ているのと、背だけが似ていたのだった。眼鏡をかけた顔は、すこし蒼く、静かに見えた。伸子は、あわてた自分に苦笑した。

「失礼いたしました……ちょっと人ちがいして」